クオリアクオリア

未知なる感覚質を求めてー。

幸せとは、これこそが世界のスタンダードだと思える光景に立ち入ることだ。

佐渡ヶ島は流刑先の一つで、江戸時代には流刑のことを『遠島』と呼んだ。よく来るのでわかるが今でもまさにここは遠い島である。では、あの日あの時流刑をされてこの島に来た人々はなにを思いなにをして生きたのだろうか。自ら能動的に流されているということ以外は、今の俺もそんなに変わらねえや、と、そんなことを考えながら田園に臨み、稲刈りに勤しむ。

 

toruquqlia.hatenablog.com

 

最近解せなくなってきたことナンバーワンといえば、住所を一箇所に定めることだ。稲刈りをご一緒した村人は「空き家はたくさんあるんだっちゃ!」とよく語る。家主さんとのコミュニケーションがうまくハマれば格安もしくは無料で借りられるとのこと。約60年ほど前、佐渡の人口は今の倍10万人いたことを考えると、なるほど、と思う。当然朽ちている家もあるだろうけれど、要は、なんとかすれば住める場所が5万人分ほど空いてますよ。ということだ。

それでいて日本の人口は東京に集中(23区の人口密度は1.5万人/km2)している。反対に、地方には都心にはない広い土地(佐渡の人口密度は63.5人/km2ひっろ!ひっろ!)とフレッシュで美味しい食べ物がある。ある、というよりも、既に用意されている、に近い。これはもう家を複数個持つ、または、複数個の家を行き来する生活スタイルというのは自然の摂理と言える。

それでもいまは大前提「住所は絶対一個ね!」と何者かに言われている気がする。それを辞めたら、「私は住所5こ!」とか「俺は日本と台湾!」とか「わしは北極と南極じゃあ!」とかいい感じになると思う。住所の枠を5個まで増やすとか、住所という概念自体をなしにするのもありだ。話が全然違うけれど、曜日と日数がバラバラなことも解せない。一週間の7進法に合わせて月の日数を28日にする。毎月1月、2火・・27土、28日となり、何月でも曜日と日数が一緒になる。などと思いながら、手を動かし稲と戯れる。秋の真っ只中。


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今回訪れたのは佐渡ヶ島の沿岸部、新潟県が見える側にある野浦という集落。人口85人。山(野)と海(浦)に囲まれ、棚田は標高430mのところまで続いていて、目の前の海からは海産物がバッカンバッカン獲れる豊かな村。以前ここを訪れた方が書いてくれたブログを発見したので興味のある方はご覧あれ。徹や保科さんの活動についても言及してくれています。超ありがとうございます!

天を相手にし、人を相手にするな。 - いばや通信
Special thanks 坂爪圭吾さん

【循環する世界、再び】みんなで佐渡ヶ島『3rd Island』に流されてみました。 | ハラフワティ 村元里弥のブログ

Special thanks 村本里弥さん

 

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水の通り道が美しい・・・

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豊富な栄養を海へと運搬してゆく・・・

f:id:team-0:20181001161856j:plain 深呼吸を絵に描いたような風景・・・

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 祈りの所作が染み付いている・・・

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突然来て突然イカを配って去る村の隣人・・・

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 サザエの炊き込みご飯をつくりました⛄️🌙🌙

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あの月がなかったら俺はとうに闇夜に果てていた・・・

  

トンボの光景


ある朝ひとしきりの雨が降った。曇天の下、どろどろの田んぼに入り村人たちと協力して稲を刈る。そこを歩くだけでもひと苦労なのだけれど、丹田に力を込めて(裸足で!)ふんふん歩く。雲が風に流されて、ある時、太陽がやっと顔をのぞかせた。その瞬間、別世界のような光景が飛び込んできた。せっせと働く村人。一服しようと休む村人。青く澄んだ空を映す水田。その上をヒラヒラと羽ばたく無数のトンボ。その4枚の羽根が光を乱反射して、まるで、小さなミラーボールが宙を舞っているようだった。じわーーんときたと思ったら、急に涙が溢れる。この景色が、自分のイメージする幸せに近い気がした。

 

興奮の快と安堵の快


トンボの光景を見て涙腺から分泌した喜怒哀楽のどれにも属さない、涙。「その涙はどこから?そう、脳みそから!」ということで、考察。

人が『嬉しい』『楽しい』と思うとき、脳内では神経伝達物質が分泌されている(らしいぞ!)。その代表格は3つあって、ドーパミンは喜びを、ノルアドレナリンは興奮を、セロトニンは安堵を司っている。例えば、W杯で日本がゴールを決めた時はドーパミンとノルアドレナリンが、川のせせらぎを聴きながら森林浴をしている時はセロトニンが、出まくるという脳の仕組みになる。裸足を田んぼに突っ込みながらあの光景を見たとき、脳内ではきっと、ドーパミンやノルアドレナリンだけでなく、セロトニンもどぶわああっと分泌されていたのだと思う。

セロトニン。安堵の快楽。徹が佐渡ヶ島で発見した安心感。実際にあった話だけれど、佐渡ヶ島を訪れてほろりと涙を流す人は多い。自律神経の乱れから睡眠薬を飲まないと寝られなかった人が脅威の爆睡をしたというケースもあった。これはセロトニンの仕業かもしれない。セロトニンありがとう。

思うに、都会には【興奮(ドーパミンとノルアドレナリン)】があり、田舎には【安堵(セロトニン)】がある。どちらも幸せ(快楽)には欠かせない要素だ。これは自分の感覚でしかないのだけれど、都会は慢性的なセロトニン不足なんじゃないかと睨んでいる。幸せになろうとする時、興奮の快ばかりを求めがちなコンクリートヘッズたち。佐渡に来ると半ば強制的にセロトニンが出ること受け合いなので、ゾンビ化する前に、ぜひ一度遠島されてください。

4年前。佐渡ヶ島を訪れた初めての夜。村人の家で夜ごはんをご馳走になった帰り道。見上げた星空があまりにも鮮明で号泣した。あの時降ってきた言葉、この美しさが世界のスタンダードだ、と確信したこと。あの感動は今でも続いている。幸せとは何か。いまは、なんとなく、「これこそが世界のスタンダードだ、と思える光景に立ち入ること」だと思っている。

 

かむきとおる

 

直近のスケジュールは

10/10〜約一週間佐渡ヶ島

10/19〜約一週間新潟and横浜

11/1〜死ぬまでフリー

何も予定はありませんが、11月12月は大仕事をやる予感だけはあります!

 

 

 

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君は本当に安心しているか└( ^o^ )┐


 

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